アリエス・ムウの聖衣・小宇宙講座 〜小宇宙の燃焼編〜



聖域も日に日に秋の気配が感じられるようになってきました。

落ち葉が舞う季節が到来しましたが聖闘士である皆さんはまさか・・・体調不良に陥ってるという事はありませんよね?自己の健康管理は私達のような戦士にとっては重要不可欠なものであり、そしてアテナや世界を護る為の戦いにおいて個人の力を最大限に発揮する為にもなる事。季節の変わり目ごとに調子を崩すなどという情けない状態にならないように皆さんは日々の生活を送って貰いたいものです。聖闘士ならば・・・ね?



私の同僚に毎日飲み歩いているような輩が居るようですが・・・あれは聖闘士としては問題外です。


・・・時間の無駄なのでどうでも良い話題はここで止めておきましょう。




さて、先月は聖衣の違いについて簡単にまとめました。意外にも大きな反響が寄せられて私は嬉しいような悲しいような気持ちです。聖衣の事は訓練生の時代に充分理解していると思っていたので正直驚きました・・・まあ、あの破損状態を見ていれば予想出来なくも無かったのですが。



いつかメンテナンスについても説明しないといけませんね。


それはさておき。先月の内容にあのような反響だったので今月も聖闘士の基礎の基礎「小宇宙」についてまとめてみました。小宇宙・・・私達は何気なく言葉にしていますがその存在は非常に曖昧なものです。貴方も思った事はありませんか?「何でも小宇宙次第だなんて・・・」と。

聖闘士はその実力によって三つに分類されると言われています。しかし、これはあくまで聖衣を授かった時の実力。現在「神聖衣」を纏う5人の聖闘士が居ますが彼らが青銅聖闘士の時代に十二宮の戦いというものがありました。私はその時彼らに「聖闘士の強さは聖衣では決まらない」という事、そして「小宇宙の高まりが戦いを左右する」事を説明しました。そう、彼らは厳しい戦いの中で小宇宙をどんどん高めて史上初めて我らの護る十二宮突破を成し遂げたのです。私の説明は単なるきっかけを与えただけですが、5人の成長を目の当たりに出来た事を私たち黄金聖闘士は誇りに思っています。

しかし・・・改めて考えてみると小宇宙というのは、自身が絶体絶命に陥らないと爆発的に高まらないような気がしてきませんか?そして鍛錬といってもシャカのように毎日毎日座って瞑想という暇は私達にはありませんし、第一それが私達に向いているかというのも微妙なところです。かと言って自ら絶体絶命の場面へ飛び込むような事をするワケにもいきません。大体そんな暇があるなら働いて欲しいものです。

とにかく『意図的に小宇宙を自在に操る』というのは非常に難しい事と言えるでしょう。

ただ、私が今までの経験から「小宇宙の燃焼」について言えるのは、小宇宙が爆発的に高まる時というのは何かを必死で護りたい、救いたいと思った時だという事だけは分かっています。訓練で軽く必殺技を放つなどの日常的な小宇宙の燃焼は感覚というものが大部分を占めるのですが、爆発的に小宇宙を高める事が出来た時というのは明確な意思がハッキリと存在しました。皆さんにも経験があるのではありませんか?

そして、そこには感情の昂ぶり次第で手が付けられないような状態に陥るという警告が隠されているのを忘れてはいけません。要するに憎しみ、恨みなど負の感情で容易に小宇宙が燃焼出来てしまうという事ですね。だから貴方は自分がどういう立場なのかという事を自覚しなければなりません。「聖闘士が私闘を禁じられた意味」我々はこれをきちんと理解しなければならないのです。


感情のコントロール。

これが出来ない人物へ聖衣が譲渡されてない事を私は祈っています。
そして小宇宙について私がどうにか説明出来るのはここまでです。


燃焼についての感覚が分からない方に上手く説明する術を私は持っていませんが、小宇宙というのは誰の中にも存在しているという事だけはハッキリと書いておきましょう。何気ない行動の中で貴方は無意識に小宇宙を燃やしているのかもしれません。
そして、もし怒りなど何かのきっかけで部屋が吹き飛んだ、お皿が浮いたなどの現象が起きた場合は速やかにマガジン編集部へ連絡を取る事をお勧め致します。彼女達を通じて訓練生の登録を行って頂ければ私たち黄金聖闘士が然るべき対応をさせて貰いますよ。


貴方は小宇宙を感じた事がありますか?」
この言葉を皆さんへ投げかけて今日は終わりにしたいと思います。
最後まで読んで下さってありがとうございました。

来月号は「聖衣に宿る意志」についてまとめる予定です。



                                        Written by Licht